先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
叩いて下さい
コンクリートを打ちっぱなしにした灰色の壁、紫色で統一された大きなベッド、そして横に眠る金髪の美青年。


目を開いた瞬間に飛び込んで来たこの3つの情景に加え、素っ裸の自分。


あのまま僕は見事に眠り込んでしまい、どうやら何か失ったようだ。


そう気付いてガバッと跳ね起きると、横で目を擦りながら和希さんも起き上がる。


「どうしたのぉ? 」
「あの、ここは! 」
「私の部屋よぉ、いらっしゃいませ」
「どうもお邪魔してますって、これ、どういう事なんですか! 」


思わず相手の逞しい肩へ両手を掛け、揺さぶったら


「そういう事よぉ、大丈夫。ちゃんと付けたから」


世にも恐ろしいコメントが返って来た。
< 135 / 183 >

この作品をシェア

pagetop