大好き‥だよ。

陸上クラブ

『結さん!!さっきの算数の問題の答えなんだけど、これでいいのかな?』

『ん?』

悠君のノートと自分のノートを照らし合わせて、間違っている場所を探した。

『悠君。公式は合ってるけど、ここの割り算が違うよ』

『嘘だ~』

そう言って、ノートの端で計算を始めた。

『あっ‥』

『でしょ。凡ミスに気をつけてね』

『はい。結先生』

2人で向かい合って笑っていると和樹君が口をさしはさんできた。

『お前ら、最近本当に仲良いよな。あの噂も満更うそでもないのかもな(笑)』

『和樹君~』
『和樹~』

『ほら。声も揃うようになったし』

悠君は和樹君に飛び掛って髪をクシャクシャにしていた。セットされた髪は、あっという間にお風呂上りの半乾きの髪へと変わっていった。

私は、この光景をほぼ毎日のように見てる。たぶん‥席替えをしない限り、これを見なくなる日は来ないだろう。

『和樹君の髪が可愛そうだから、もう解放してあげよ?』

私が止めに入って一連の作業が終了する。

『ふぅ~。
でもさ、冗談抜きでお前らってどういう関係な訳?』

クシャクシャにされた髪を整えながら聞いてきた。

『だから言ったでしょ?私と悠君は‥』
『結、ひまわりに水やった?』

『あっ!!今行く。‥って事だから悠君、後はよろしく』

右手の親指を立てて前に突き出した後、ベランダに向かって走り出した。
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