イトデンワ。




慌てて、
手を隠す。







『聞きたい。』







じーっと、
見つめる彼。







『触れたのは…』







顔を背き黙る私の腰に手を回す。




見つめ合う。







『触れたのは…肌の感触を残しておきたかったから。また、遠距離が始まったら触れる事が出来ない。独り占めなんて…出来ない。もしかしたら…』







『お前が、何を言いたいのかは想像出来る。俺の全部は、お前の物。お前が触れた肉体も…お前が感じた感触も、独り占め出来る。神戸に戻っても、心配する事ないよ。』







『し…心配するよ。女性は、分かるんだよ。スーツ着てても…洋服着てても…体型が分かる。触れたくなる。触れられたら…それに、応えてしまう。そうならないとは…言えないでしょ!?』







『確かに…な!触れられたら、過ちとは言え…応えてしまうかも。男は、獣だから!!神戸に居ると、お前と同じ体型の女を時々…見かける。』







『わ…分かるの?』







『お前、言ってたじゃん!女は、スーツ着てても洋服着てても体型が分かるって!男も、分かる。だからって!触れたいとは思わない。体型が同じでも、お前じゃない。けど…我慢の限界が達したら、お前を重ねて求めないとは言えない。それって!抑えるのは難しい。そうなったら…どうすれば良い?』







『私が…私が…あなたに、会いに行って…我慢していた全部に応えるよ。』







『それは、有り難いけど…1日じゃ足りない。それぐらい、我慢してるって!事。応えるとなると…お前の方が疲れるだけだ。体力が落ちる。それでも、応えてくれる?』





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