芽吹く前に
重く沈んだ授業中の空気の中でマコトは一人考え事をしていた。

(友達といるの楽しい・・・)


(この授業中の沈黙が嫌い・・・)


(隣も前も自分とはまったく合わない・・・)

(担任にはめられたな・・・)


(オセロじゃねぇんだから真面目ではさんだって・・・)


(俺が腐ったミカンだったら、こいつらも腐っちゃうかもだろ・・・)


(俺はこいつらの事が心配です!・・・)


(俺みたいなのを側に置いたらこいつらまで・・・)


(マジで、類は類を呼ぶようにしてくれよ・・・)


(友達としゃべりに来てんだから・・・)


(学校とは・・・何であろうか?)


(学ぶ所である!!)


(そうだ!!だからこそ俺はここに来なくても良い!)


(そして、あまりこない・・・)


(あっ・・・あまりこないから、ここなのか・・・)


(先生頭いい〜・・・)


(さすが先生〜・・・)


(考えていらっしゃる・・・)


(なんか、それだったら寂しいな・・・)


(何も、持ってきてないし・・・)


(途中からだから、先生、何言ってるか分かんないし・・・)


(あっ!ケンタッキー、勉強した振りしてる・・・)


(なんかあいつに投げて〜・・・)


(邪魔してぇ〜・・・)


(けど、何も持ってきてねぇ〜・・・)

そんな事を考え、ボ〜っとしていると、こちらに教師の声が一直線に飛んできた。

「・・・じゃあ、ここぉ〜、マコト君!!」
黒板には怪しげな模様が描かれている。

「えっ!?俺っ!?わかりません・・・」

教室の一部から笑いが起こる。

(馬鹿野郎、俺はピエロじゃねえし・・・マジで・・・)

それでも少し和んだ空気に気持ちが楽になったりもした。

(久しぶりに来たんだから・・・)

(あてなくてもいいじゃん・・・)

眠くはなかったが、また、あてられて恥ずかしい思いをするのも嫌なので、うつぶせになって寝たふりをした。

(いなくていいよな・・・俺ここに・・・)
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