甘い蜜に誘われて
「で?終わったの?」

と鈴木大樹が問う。


「あー。一応は......」

と私は終わった仕事を鈴木大樹に見せた。


鈴木大樹は渡されたプリントを、厳しい目付きでチェックし始めた。


うぅ......恐いよ......

駄目だしとかされたら、絶対に凹みそう......


なんか、この図って、鬼部長と駄目部下みたいって思うのは、私......だけかな?


「よし。」

鈴木大樹が、ボソッと呟いた。

そして、私の頭に手を乗せて

「合格だ。良くやった。」

と言いながら、ちょっと乱暴に頭を撫でてきた。


「......」

なんか、この図ってさ。

厳しい飼い主に初めて褒められた駄目犬って感じじゃない?


なんか......悔しいけど、褒められて嬉しかった......かも。


「じゃあ、次はあっちの机綺麗に整頓してきて?」


「......」


まだ、仕事あるんかぃ!


なんて思いながらも、さっき褒められた事がちょっと嬉しくて、私は言われた通りに整頓し始めた。


「クスッ......」

後ろから笑い声が聞こえる。

「......何?」

と私が聞くと

「いや......今日はなんか素直だな、ってさ。」

って、鈴木大樹。

「もしかして、俺に褒められたのが、嬉しかった?」


!!!!!!


うっ......図星......


でもさ、素直にはいそーです!なんか、言える訳ないじゃないか!!

だから私は

「は?馬鹿じゃないの?そんな訳ないじゃん!!優秀な生徒会長様も、とうとう頭が馬鹿になっちゃったのかしら?」

と言った。

でも、あまりにも慌てて言う私を見て、鈴木大樹はまた笑った。
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