魔王家
魔王はアレンの気持ちを受け入れた。

その瞬間、二人を大きな光が包み込む。

「アレン、これは」

次の瞬間には、辺りが深い闇に染まる。

「どうやら俺の予想通りだな……」

「……離れるでないぞアレン」

辺りを埋め尽す闇が消えた時には、二人は居なくなっていた。

神により生まれた二つの存在は、今一つの存在になりて消えたのだ。


五百年前、世界を二つに分けたことは神の気まぐれだった。

魔王が勇者に倒されたのは偶然だった。

以後、魔王が勇者に倒される為の存在になったのは必然だった。

ある時。

魔王にメイヤやアーサンが、部下として遣えたこと、それは運命。

幼き時、何も知らずにアレンと出会ったことも運命。

もえが魔王であることも、アレンが勇者であることも、そして同じ時代に生まれたことも運命。

魔王が勇者に恋をしたこと。

それもまた運命。


一つの長い長い『魔王家』の歴史は、一人の魔王と一人の勇者によってピリオドが打たれた。


世界が一つとなりて……


そして、魔王と勇者が一つとなりて……




修得:愛する心
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