魔王家
―お涙頂戴を見終った後―

メイヤはアーサンに魔王を任せ、一人先に城へ帰り自室に向かった。

「魔王様も無事卒業なされた」

そう言うとメイヤは大量の資料と記録の山を整理しだす。

勿論魔王の育成記録。

「ここらで一旦整理しておかなければ」

改めてみると懐かしいものばかり。

ふとメイヤはあることに気がつく。

魔王の素養としては不必要だと思われる要素の修得が多い事に。

「これは……」

メイヤは考える。

初代魔王以来の女だからか。

自分達の教育のせいか。

あいつの存在があったせいか。

メイヤに答えは出せない。

魔王教育マニュアルはニ代目から出来たもので女だった現魔王には殆ど適用されていない。
修得に関しては女だからこそ、というものもあるからだ。

しかし現魔王には何かが起きてるかもしれない。

「我々は魔王様を無事に育てることが出来るのか」

マニュアルがないことに苛立つメイヤ。

「私らがしっかりせねば」

そう心に誓い作業に取り掛かる。




修得:親の愛
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