傷、のちに愛



――なに言ってるの?

私は大学生で相手は大学教授。
“付き合う”わけないじゃない。

それに――…

「私は、恋なんてしたくないんです」

それだけ言い、私は車を降りた。

「え、和葉ちゃ…」

―――バタンッ!

名前を呼ばれた気もするけど、勢いよくドアを閉めて気にせず歩き出した。

恋なんて、しない。
したくない。

……なりより、こんな私じゃ、できないでしょ?

『アンタなんかもう二度と恋愛できないよ!だって汚いもん』

頭の中であの日の罵声が繰り返される。

わかってるよ。

わかってるから。



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