傷、のちに愛
なんなの、もう!
いきなり電話なんかしてきて、言いたい放題で。
――でも、この電話がなかったら夢の続きを悶々と考えていたかもしれない。
そう思うと、ほんの少しだけ感謝した。
あのあと、耳に焼き付いている低い声が何回もリフレインされる。
『また電話するね』
また、電話来るんだ…
不思議と迷惑とは思わなかった。
でも、…怖い。
今、ほんの少しだけ気を許し始めている自分に気づいてしまった。
怖い。
気を許してはいけない。
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