傷、のちに愛
たとえあなたが他の人を好きでも、一番になれなくても、私は千秋さんが好きになりました。
ごめんなさい、迷惑ばっかりかけて。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
こんな私が好きになってごめんなさい。
「――ぁあ、ったく!もうすぐ着くから待ってろよ!」
焦ったようにそう言うと、スピードを上げて駐車場まで走った。
荒々しく車を停めると、千秋さんは私の頬に手を伸ばした。
「和葉……」
顔が近づく。
「目、閉じて」
私は慌てて目を瞑る。
―――唇が重なる。
私は身体をこわばらせるが、すぐに力が抜けていった。
狭い車内でできるだけ身体が近づくよう、シートベルトを外された。
千秋さんのもう片方の腕は私の腰に回り、私を必死に引き寄せようとしていた。
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