爽やか王子と内気少女



「よ~し!応援して貰ったし、体力温存の為に寝るか!」


田中君は大袈裟に言うと、机の上に突っ伏して眠りに入った。



「ったく、現金な奴……良いな~」


永井君はそう呟いた。

永井君と田中君はタイプが違うから、無いところを羨ましく思うのかな?


でも、私としては永井君はそのままでも充分羨ましいんだけどな。




弥生ちゃんはただニヤニヤして、「面白そうだから体育館行こうね」と私に言っていた。




それからも、クラスの話題は昼休みのバスケばかりで、その中でも「永井が」という言葉がよく聞こえた。


やっぱり永井君は人気者だなと実感すると同時に、近づいた気がしてた距離がまた遠くなっていく気がした。


 
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