爽やか王子と内気少女



私と弥生ちゃんは、美波ちゃんと梨華ちゃんが座る後ろに腰を下ろした。

コート側面なので、コート全体が見える場所だ。




「そろそろ始めるぞ!」





そんな男子の声に、バスケに参加する男子がコート中央に集まった。



その中には、勿論永井君も田中君も居て、女子は口々に応援していた。








私は運動だって人並みだし、あまりスポーツにも詳しくないからルールもよくわからないけど、


永井君がシュートして点数が入る度に見せる笑顔や、相手をマークする時の真剣な顔に見とれていた。



それは皆同じなようで、前に座ってる梨華ちゃんたちも、近くに座ってる子たちも「永井君格好良いね」と話していた。







ピーー!


終了の音と共に、今まで激しく動いてた男子も止まった。



「うちのクラス勝ったね!永井大活躍じゃん」


隣の弥生ちゃんの声で勝った事に気づいた。


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