爽やか王子と内気少女


「梨華、永井君の事好きなんだ。梨華と永井君が付き合える様に協力してくれない?」



……………………え………




「まぁ、最終的には梨華が頑張らなきゃだけど、ちょっとしたきっかけ作りとか…」



どんどん話が進むけれど、私の頭の中は停止状態だった。




弥生ちゃんはそんな私を見てから、
「………私は何も出来ないけど…そういうのよくわからないし…」

と答えた。



「え~もう、弥生ちゃんは!……香ちゃんは後ろの席だし、できれば協力して貰いたいんだけど…」


美波ちゃんが、弥生ちゃんへ向けていた目を私に向けた。



「う…うん、私に何か出来るかわからないけど…」


自分に自信の無い私は、そう答えていた。

その時、弥生ちゃんが「香」と言ったけど聞かないふりをして下を向いた。


 
< 38 / 130 >

この作品をシェア

pagetop