爽やか王子と内気少女
私は大きく息を吐いてから口を再び開いた。
「私は…私は永井君が好きだよ。
永井君と居るとそれだけで凄くね…凄く…胸が苦しいの…。
鼓動が凄く速くなって、永井君が私に対して言う言葉が特別な気がして、
永井君が私と同じ気持ちなら良いのにって思うの。
でも、やっぱり私の頭には不釣り合いって事が次に浮かんで、一歩を踏み出せないで逃げる事を考えてた」
気が付いたら涙が頬を濡らしていた。
泣いてる事に気づいたら、急に鼻と喉が痛くなって、声が出ない。
「香は何で不釣り合いだと思うの?」
弥生ちゃんがハンドタオルを貸してくれ、遠慮なくそれで涙を拭いた。
落ち着く様に大きく息を吸って吐けば声が出るようになった。