爽やか王子と内気少女




「お願いだから…お願いだから諦めないでよ……


感情があるんだから諦め悪くて当然なんだよ。
諦めの早い香が、唯一諦められない事なんだから、諦めないで…

私も一緒なんだからさ…一緒に頑張ろう?」




またポロポロと涙がこぼれる。


弥生ちゃんのハンドタオルで涙を拭こうと思ったけど、
弥生ちゃんの両手が私の手に重なって動かせなかった。


手を動かして弥生ちゃんの手を離せば良かったのだが、
弥生ちゃんの手があまりにも温かくて心地好くて、


しばらくは温もりを味わっていたかった。




「弥生ちゃん、



私………自信を持てるようになりたい!」







 
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