爽やか王子と内気少女



俺の中で日に日に存在が大きくなって行った。



柔らかい言い方で、聞きやすい速さの声。

友達に見せる笑顔。





あまり目立たない子だし、人から見たら他の子とかわらないかもしれないけど、


俺には特別に見えた。


これが「好き」って事なんだな……





それでも、話掛ける事すら出来なかった俺にチャンスが来た。





2年のクラス替えであの子と同じクラスになった。



新垣香……



俺の後ろの席。



凄く嬉しかったけど、後ろばかり意識して、背中が熱くなる。



誰でも構わず挨拶してる俺だけど、新垣に挨拶となると緊張した。




自然に…自然に…と思いながらも挨拶をしたんだ。




西川や田中にニヤニヤされながら見られたり茶化されたりしたけど、新垣と話してる内にどんどん欲張りになっていった。


もっと話したい…

もっと知りたい…

もっと見てほしい…



 
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