平成☆ヒロイン
「待てェェェェェ!!」
「ヂュー!!」
「止まれェェェェェ!!止まらんと殺すぞぉっ!!」
「ヂューーーーー!!!!!!」
止まっても結局は殺すのではないかという疑問はネズミの心の中に生まれたに違いない。
そして、騒ぎに駆け付けた綾羽の兄である波矢斗もネズミと同じ疑問を抱き、鬼神のごとく竹刀を振り回す最愛の妹の襟首を捕えた。
「アヤ、止まっても止まらなくても結局は殺すんだろう??」
「は!?止まってくれたら家の外にほっぽり出すわよ!!」
当たり前でしょ!?と大声で無意識に返事をして、綾羽は「ん?」と首を傾げた。
「波矢斗にぃ??なんでここに?」
「なんでじゃないだろ??真夜中に大騒ぎしてたらそりゃあ、目も覚めるって」
当然、両親も祖父母も目を覚ましているのだが、大暴走した綾羽を止められるのは波矢斗だけだと分かっているので出て来ないだけだ。
「あ・・・・そか。うぅ・・・・・。ゴメン」
今さらながらに家の中にいるのは自分だけではないのだということに思いいたって、綾羽はシュン・・・と項垂れた。