氷菓少年は天然少女にかなわない
隣の席に…
朝早く登校する習慣をつけた梨久だが、最近無意味になってきた。



通学路の並木道を歩いているだけで、あちこちから女子が現れ次第に囲まれる。



正直鬱陶しい。



熱い眼差しを向けられても、いつも無言を通し今日まで至る。春夜や黒宮からは贅沢とかうらまやしがられるが、梨久には全然理解ができない。



その時だった。



「りっくんおはよう」

「……そんなあだ名で呼ぶな」

「どうして?」

「親しくないだろ」



頭が痛い。



梨久は並木道を早足で歩く。



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