乱華~羽をくれた君~【完】
「え?何を…?」
「あの人に会ってくる」
「…陸さん!!!」
「お前見てて、やっと決心がついた。…なんかさ、お前が側にいてくれると、なんでも良い方向に進んでいく気がすんだけど」
「そんな…でも、あたしも陸さんのお母さんに会いたかった」
「お前も?」
「陸さんの事を必死に守ってくれてありがとうって言いたいの」
あたしの手を、ぎゅーっと握ってくれた。
「…やっぱり俺にはお前が必要だわ。翔真と広樹になんか絶対渡さねぇ」
「なっ!なんで急にここで2人が…」
「いーんだよ、独り言!」
そう言ってあたしのおでこと頬にキスをした。
良かった…本当に良かった。
お母さんとちゃんと向き合ってくれるんだ。
あたしは嬉しくなって陸さんに抱きついた。