未来観測

あれからあたしたちは
何度も何度もキスをした

お互い会えなかった時間を埋めるように。
まるでそれがなくなる時間を恐れるように。



彼といると悲しくもないのになぜか涙が出る

切なくて
胸が締め付けられて

でもそれを言葉に表すことができないから、そのもどかしい想いが涙になる



「先生、泣かないで」



そう言った寛人があたしの瞼にまたキスを落とした



ねぇ寛人。知ってる?

あたしこんな気持ちになったの初めてなの。


こんなにも怖くて

怖くて仕方のない恋は初めてなんだよ



< 146 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop