未来観測

自覚

あの日。
彼が“せんせーばいばーい”と去っていったあの日。

あれ以来彼はあの教室に姿を見せなくなった


確かに期末テストも模試も終わったし。
あたしは三年生の授業は担当してないし。


あの放課後の授業がなくなれば
彼とあたしのつながりが皆無になるのは明白な事実だった


あの最後の日に。
あんなにも寂しいと嘆いていた彼はどこに行ったのだろう。

あれ以来一度も姿を見せない彼に
あたしは幾分か苛立ちを隠せないでいた


何だかいつも身につけている大事な何かをなくした気分。



「…た…か先生」



あんなに偉そうなこと言っといて、あたしったら何てざまなんだろう。
自分で自分に大きなため息をつくと

突如として鼓膜を破るかのような大声があたしの耳を支配した



「高岡先生!!!」


「…はいっ!!!」


「あなたは一体私に何回名前を呼ばせる気なの?」


目の前には鬼のような顔をした
学年主任の先生。

やっぱりあいつのことを考えてると
ろくなことが起きない




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