EMERALD
TURQUOISEは冷たい?


12月が近づいていた

夏の暑さは影を失い、木々は紅葉し、その葉を落とし出していた

通り過ぎる人々も、冬の出で立ちへと姿を変えていた


机の上に重ねられた本を見つめながら、世羅は図書館の窓から見える紅葉が落ちるのを、横目で見ていた

もうすぐ、本格的な寒さが訪れるだろう


「あ・・・・・・・・・・・・・・」


窓から見えた、揺らめく金糸の髪

それを見つけた瞬間、世羅はイスから立ち上がり、重ねられた本を持ち上げた


< 423 / 627 >

この作品をシェア

pagetop