Magic card
プロローグ
お母さんが死んでまもないころ…

私はよく公園でひとり泣いていた。

涙でにじんだ目で、桜並木を歩いていると小石につまづき転んでしまう。

手で涙を拭っていると知らないお兄さんが手を差し伸べてくれる。

お兄さんはなんで泣いているのかを私に聞く。

理由を言うと、白いカードをポケットから取り出す。

「これは何でも願いが叶う魔法のカード」

「…おかあさんを生き返らせてせてくれるの?」

と、聞くと、

「それは無理」

だと、言われた。

「何でもって言ったじゃない」

と、私は泣き出してしまった。

お兄さんは、ゆくっりと諭す。

「死んだ人をよみがえらすのは、神様でも無理なんだ。これは、君を元気にしてくれる魔法のカード。」

「君がお母さんを忘れないかぎり、お母さんは君の心の中にずっといる」

「何か願い事ができたら書いてみるといいよ」

桜は優しく散り続けるーー。

そのまま私は、願い事が思いつかず引っ越しをしてしまった…。
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