私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―

そんな私の心境を置いて、話は進む。


「そして、俺が深青と別れた時、俺が珀仙のいえを継ぐことが確定して、俺には監視がついた。交友関係から成績、すべてを本家の人間に調べ上げられ、不必要な事は一切させない。そうなるとわかってたから、俺は深青と別れた。俺が珀仙の人間である事を隠したのは、本家からの命令だ。だが、本家の養子になったからと言って、それだけで納得してくれるほど珀仙の家甘くない。」



伶は不機嫌なまま、黙る。きっと伶はすべてを知っていて、黙っているのだろう。この話は、私が聞く事に意味があるのだ。




「おこったのはテンプレもいいところの跡継ぎ候補の潰し合い。確かに俺は華道の腕前でいえば珀仙の跡継ぎ相応しいが、いかんせん本家から遠い血筋だったし
納得いかない人間は多かった。俺がちゃんと跡継ぎだと発表される時期は現在の当主が決められる。そんな膠着状態の中で、今回の事が起こった。」






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