深海から見える灯【完全版】

17歳

あたしの転校はちょっと時期がずれてしまって、2年生の1ヶ月だけコッチの高校にいる事になった。

卒業式の日、「先輩」はあたしが移る街へ進学が決まっていたから、あたしの転校をすごく喜んでいたけど約束は約束だ。

「言ったよね?あんたが卒業するまでは我慢するって。だからもう終わり。あたしが向こうに行っても関係ないから」

あたしはそう言い放った。

あたしの「ボランティア」はようやく終わった。


4月になり、ワタルの従妹のチイが入学してきた。
何故かあたしのクラスにばかり顔を出すから、あたしの友達もチイにすっかり慣れて、タメ口で話されても平気になった。

(ま、これはこれで安心だけどさ)


あの雪の日以来、ヒロとはなかなか連絡が取れなくて、転校の話しを伝える事が出来ないでいた。

ユキの情報によると、ヒロは同じ中学だった子と付き合い始めたらしい。
ちょっと自分を可愛いと思っている自意識過剰な女の子。
女子にはあまり好かれないタイプ。もちろん、あたしも好きではない。


「ねー、ご飯何食う?」

帰り道、あたしはチイと一緒にいてご飯を食べようと街にいた。

「そうだねー・・・」

あたしはいつもヒロと行っていた喫茶店でいいかな?とか考えていたら

「うらら!!!」

デカイ声で名前を呼ばれてビックリする。声の主はヒロだった。

ヒロは完全に怒りモードでその後ろを慌てて花くんが追っかけてきている。

あたしの前まできてヒロは一呼吸して怒鳴った。

「お前、ふざけんじゃねーぞ!来月転校する?何でそんな大事な事、オレに言わねーんだよ!バカにしてんのか!」

あたしも負けじと怒鳴り返した。

「言おうとしたよ!知った日にあんたの家に行って灯り点いてたから雪球投げたんだよ、でも出てこなかったじゃん!それからも連絡してもつかまらないし、あんなバカ女と付き合ってイチャイチャしてっから相談も報告も出来なかったんだよ!ふざけんなって言いたいのはあたしの方!!」

「バカ女って。オレが誰と付き合おうが関係ねーだろ!」

「関係ないよ、全然関係ねーし!でも、そのバカ女のせいでヒロの頭も一緒にバカになったんじゃない?って思うけどね」
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