深海から見える灯【完全版】
屋上に入ると風が一気に吹いてきて、慌ててスカートを押さえた。

「パンツ見えた」

サトの声に「え!?」と言うと「ウソ」と言われた。


確かに空はすごく晴れてて、風も気持ちよくてちょっと寝るにはいいかも。

フェンスに寄りかかって、ちょっと遠くにあるグランドで体育の授業を見る。

「ちょっといいでしょ?穴場だから」

隣でサトはニコっと笑った。可愛い笑顔。

「うん。気持ちいいね」

あたしも笑顔を返す。


2人で並んでボケっとグランドを見ている。

(何か眠くなっちゃうなー)

何て考えてた。

「あのさ、眠いなーって思ってるでしょ?」

サトが言った。

「何でわかるの?」

「うーちん、わかりやすい。単純?」

「またバカにして・・・。確かに単純だけど」

あたしがサトの方を見て・・・

(何か、思ってたより距離近い?)

と思っていると、サトの顔が段々近づいてきて・・・

口と口がくっついた。

「え?」

あたしはわけがわからないでいると、もう1回今度はチュっと音を立てて、サトがキスしてきた。




サトはちょっと笑ってまた何事もなかったかのようにグランドを見る。


・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

(はぁ!?)

あたしは真っ赤になった。

何で、何でキスされたの!?あたし!!
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