Black★Joker【完結】
龍馬のこと、優に話した方がいいかな……。
黙り込んで考えていると、優はハァと息を吐いた。
「母さん、龍馬のこと聞きに行ったんでしょ?」
「……優……」
「大丈夫。こういうの慣れてるから。どっちにしろ試験始まるしバイトも辞めようと思ってたんだ。悪いんだけど、龍馬にそう伝えてくれる?」
平然を装っている優。
だけど固く握られた拳は小刻みに震えている。
優が友達をつくらない原因はおばさんにあるの……?
優が変わったのは中学に入学する少し前……。
まさか、中学受験に失敗したせい?
だから休み時間も昼休みも誰とも喋らずに勉強ばかりしているの?
……ううん、違う。成績が上がっても優は全然嬉しそうじゃない。
それなら何故、人との関わり合いを拒否するの?
あんなに龍馬のことを慕っていた優が、突然バイトをやめるなんて。
……おばさんが絡んでいるのは間違いない。
やっぱり龍馬に相談した方がいいのかもしれない。
このまま優が龍馬と離れてしまったら、また自分の殻に閉じこもってしまうだろう。
あたしは学校に着いてからも、元気のなさそうな優の姿ばかりを目で追っていた。