Black★Joker【完結】
くわえていた煙草がポロリと地面に落ちる。
「煙草くらい吸わせてくれたっていいだろ?」
不意打ちで殴られて口の中が切れた。
鉄の味が口いっぱいに広がって、それをペッと吐きだす。
「二度と煙草なんて吸えないようにしてやるよ」
そこからは歯を食いしばって耐えるしかなかった。
あーあ……マジ俺、何してんだろ。
「……龍馬……――!!」
遠くでまたメソ男の叫び声がした。
戻ってくるなよ。
早く逃げてくんないと、俺が殴られてる意味ないだろーが。
ったく、早く逃げろよ!!
届くはずがないと分かっていても、俺は心の中でメソ男に叫び返した。