Not Forgiven?



「……まだこないわ。
王子様たちはお姫様を見放したのかしら?
あたしだって、こんなことしたくないの。
あたしを恨まないでね」



そう言った瑠璃は、懐からナイフを取り出した。


刃が不気味な光を放つ。


…不思議と怖いとは感じなかった。


傷つけるなら、傷つけて。


むしろ、そう思った。


滅茶苦茶にしてほしい。


何もかも、私のすべてを壊してほしい。


平常心を取り戻した心は、そう思った。


いっそ、ここで鮎川家から卒業できたら。



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