a love story【完】
それまで僕は、

なんだかふわふわとした、

ぬいぐるみの中の綿のような存在だった。



泡沫を漂う僕は、不意に目が覚めた。



君の初めての口付けは僕に意識を持たせ、

僕に言葉を与え、

僕に魔法を使えるようにした。



君は知らないけど、

君が眠りに着く前に僕に話した

幾千もの喜びと悲しみを、

僕は全部覚えている。
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