恋にきく魔法

初めての「キス」

あの嫉妬騒動から一週間たち、あたしは少し素直になれた気がする。
クラスの女子も前に比べて頼斗に寄り付かなくなった。
まだゼロではないけど……

だけど。
あたしはまだ、恋愛の最大関門をくぐっていない。
告白……。
まだあたしは頼斗にー度も「スキ」と言えなかった。
いつも頼斗の方から来てくれるから言う必要がなかったけど、なんとなく気になってしまう。
嫉妬ばかりして、自分の思いは伝えない嫌な女。
そうなっていそうで……。


「芽衣、どした?」
希夜の顔がドアップで見える。
「え……あ、ごめん」
今日は希夜の部活が休みで、一緒にファーストフード店でのんびりすることにしていた。
結構長い希夜の世間話にぼーっとしてしちゃったみたい……イカンイカン。
「芽衣はいいよねー…頼斗君っていうイケメンな彼氏がいてさ」
苺味のシェイクをズルズルと飲みつつ希夜が言う。


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