ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「苺…」

名前を呼んでも、返事はない…はずなのに、

苺の口角が上がる。

笑った…?

「っ−…」

どうしようもない愛おしさに襲われて、苺を抱きしめた。

どうしてこの子は、こんなに可愛いのだろう。

どうして、離れたくないと思ってしまうのだろう…。

どうして、こんなに好きなんだろう…。

どうして苺は、“特別”な存在なんだろうか…。


きっと一生、答えは分からない。

ただ、津田 苺というたった一人の女の子に出会えた奇跡に、感謝して止まない。

「約束…な」

絶対守るから…

例えこれから何があっても…。

子供の頃の約束とは違う。


今日…聖なる夜に交わした約束は、

深い深い誓い−…。

目をつむり、静かに軽く苺にキスをした。


“苺のこと、ずっと想ってる”



12月24日。

一昨年、想いに気付かなくて…

去年、やっと想いは通じて…


今年…

俺達は離れることを決意した。

そして、

心は離れまいと約束した−…。
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