切恋
 遊園地から出た後、とくに行く宛ても無く、あたしは電車に乗って帰った。


   バフッ。家に帰って、ベッドにダイブするあたし。
携帯の着信が鳴るけど、今は出たくない。
   「愛望ー?」心配してるお母さんが、1階からあたしを呼ぶ声がする。

 しばらく、空中を見つめてたら、こんな自分がどれだけ惨めかわかった。

 勝手に怒って、勝手に帰って・・・。
    勝手にあの子にヤキモチ妬いて・・・。


  「ぅぅ、っひっく」今まで我慢してた涙が一気に溢れ出した。

 「っ、ふぇ・・・ん」次々と溢れ出る涙は、シーツに染みをつくっていく。


      あたしの心は砕けたガラスみたいに、もう何も映さない。

 貴方への思いも、全部ぜんぶ、捨てるんだ。
     ~♪~♪~♪ 決意した時、丁度鳴り始める着信音。


 コレは・・・。翼。  今更、何よぉ・・・。
     どれだけ無視しても鳴り止まない携帯についにあたしが負けた。

  「はぃ」  「愛望?今からお前の家の前の公園に来て」  「?わかっ・・・た」

     
< 45 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop