切恋

愛望side

「ベンチ、座ろうか」 ジャリッと砂の音がして、翼は、ベンチを指差す。

    「うん」なんだかこの雰囲気に慣れないあたしは、ぎこちない返事しか出来ない。       

    ストンッと2人一緒にベンチに座る。

 「俺、由香と付き合ってるのには、訳があるんだ。
由香は元から身体が弱くて、いつも傍に居てやれるのが俺しか居なかったんだ。
 だから、由香は勘違いしてる。 男は俺しか居ないって。
俺も、由香の事、小せぇ頃から好きだった。でも、今は違う。

  由香の傍に一生居る。そう言った幼いころの約束、守りきれそうにねぇ。
俺は由香以外に大切な・・・。守りたい女が居るんだ」
 

話し終えた後の翼の瞳は相変わらず綺麗で見惚れてしまう。
      
       1つも迷いは無い、翼の瞳。

  由香ちゃん以外の女の子が気で好きだって、翼の瞳で分かる。


  「そっかぁ。翼にも由香ちゃん以外に好きな人、居るんだね?
それって、いい事だと思う。  翼だって、由香ちゃんに本気の恋して欲しいんでしょ?

     あたしでよければ、由香ちゃんに伝えるね?
だから・・・。翼、幸せになってください!」
   馬鹿みたいに大袈裟な笑顔を貼り付けて、翼に言った。




   これで、貴方の事を想うのは、もうやめるから・・・。




     だから、あたしの分も幸せになってください。




      
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