霊務2
【受かった!ー3】



叶礼子・20歳







実はこう見えて、
普通の女の子とは違う。







彼女はとても
「霊感」が強く、
霊を見ることが出来る。







その霊達は
誰もが想像する
怖い霊ではなく、

気さくな連中ばかり。







そんな「彼ら」は
人間界と同じような
社会があり、

上下関係も厳しく
霊と言っても
働かなくてはならない。








それが『霊務』であり、

人を脅かすことにより

恐怖エネルギーをもらい
位が課長や部長と
昇格していくのだ。





人を怖がらせれば
怖がらせるほど
エネルギーは溜まり
位もどんどんと
上がっていく方式。





やればやった分
偉くなるのは、

人間社会と
なんら変わりはない。






そんな事は
礼子は100も承知。






どうして彼女が
そんなことを
知ってるのかと言うと、

彼女は一度霊界で
霊務をした事があった。






それはニ年前の話。

礼子が高校三年の時の
話である。






ある日、
急に喉を詰まらせた
礼子は病院に緊急入院。






死んでもないのに
魂だけが体から
出てしまい、

そこで霊として扱われ
働く事になった。





しかし、
彼女の怖がらせ方は
半端じゃなく、

過去にない程の
スピードでどんどん
昇格し、

3日で社長の座にまで
上り詰めたのだ。






それから
自分は生きてると気付き
再びこの世に戻ってきた
礼子。







幽体離脱が自由自在に
使えるようになったが、

霊の能力は
「金縛り」だけしか
使えず、
その他の能力は
使えなくなってしまった






だけど、
偉い人には変わらない。






今となっては
霊界で伝説と化した
存在なのであった
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