俺様彼氏と空手彼女





「なんで。せっかく学校公認のカップルに…」




「あー!!うるさいうるさいっ!葵ってこんなキャラだったっけ!?」





「好きな女とくっつきたいってのは、誰もが考えてることだけど?」



「っ!」




「ふっ、真っ赤」




と言って、不敵に笑う葵。



こうやって、私をからかって遊んでいるのだ。




そのたびに私は、葵に本気の回り蹴りを打ち込んでいるが、当たったことはない。




それが余計悔しい。








「そうだ、忘れてた」



「何を?」




ふいに、葵はにやりと笑い、





「お前が暴行事件に巻き込まれたきっかけになるカツアゲされてた男の子助けたって、前言ってたろ?」




「うん?」





「あれ、俺。」










は?












「…嘘ォーーーーっ!!」



「嘘じゃねぇよ」



予想以上の反応だったためか、葵は満足気にクスクスと笑っていた。




「だって、あの子…!」




私の記憶している男の子は、背が低くて、細っこくて、なよなよしてた。




絶対違う。







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