俺様彼氏と空手彼女
その後私は森崎葵に連れられて、保健室へとやってきていた。
慣れた手付きで私の擦り傷を消毒し、ガーゼをつけ、さらに痛めた足首に湿布と包帯もつけてくれた。
「…肩は、自分でやれるよな?」
「…? うん…」
そこまでやってくれたら、肩もやってくれればいいのに…。
「…あの。ありがとう、森崎」
「…おぅ」
とだけ返事をすると、ぷいっと顔をそらした。
「人がお礼言ってるのに顔逸らすことないでしょ!?」
「そうだな、わりぃわりぃ」
って言いながらも、可笑しそうに笑うあいつ。
やっぱり嫌いだ。