今日の空も青かった

部活見学


「どこの部見学するか決まってる?」


「いや、何も決めてないけど」


「だったら料理部こない?」



只今由希ちゃんと東棟に向かっています。ていうかこの学校広っ!なんだよ東棟とか西棟とか。ちなみに東棟は音楽室とか美術室とか特別教室と文化部の部室、西棟が体育館と運動部の部室。私たちが普段授業を受けているのは中央棟になっている。


「うん。ぜひ!あ、でも先にちょっと他のところみてきてもいいかなぁ?」


「ええもちろん。料理部は調理室で活動してるわ。絶対きてね」


「うん。じゃあまたあとで」


そういって、私は由希と別れた。
さて、まず最初はここにしますかね。


「失礼します」


静かにドアをあげると絵の具の匂い。結構好きだなーこの匂い。
美術室にはいるとそこにいたのは男の子1人だった。


「あれ?君は誰?」


「すみません。今度編入してきました斎藤といいます。部活見学させてもらいたいのですが…」


「下の名前は?」


「鈴です」


「鈴ちゃんか。俺の名前は三上葵。よろしくー」


彼はそういうと私に笑顔を向けてきた。かっこいい。あれ?デジャブ?


「ところで三上くん」


「葵でいいよ」


「葵くん。美術部って他の人いないの?」


「違うよー本当はもっといるんだけど今日は俺だけみたい」


葵くんによると美術部は決まった時間に集まるわけではないらしい。自分のペースで作品を作ればいいとのこと。もちろん兼部も可能。


「俺も兼部してるんだよー」


「何部?」


「漫研」


「マンケン?」


「うん。今日はやってないからまた漫研にもきてー。あと俺鈴ちゃんに美術部入ってほしいな」


「考えておくね。じゃあ次のところに行くから」


「うん。バイバーイ」


そういって私は美術室を後にした。
そういえば葵くんって何年生なんだろう?


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