1/5の罪と傷、6%の生きる糧
「はぁ?」

「すみません。妊娠をしてしまいました。」
 
「じゃ、産んだら?」

今度は私がびっくりする番だった。
「え?」
 
「だって、妊娠しちゃったんでしょう?産めばいいじゃん、サイパンで。みんな可愛がってくれるよ。」

「いや、堕ろします。そんな事ができるわけありません。」

「いやもうちょっとさぁ、時間を掛けて考えてあげたらどうよ?お腹の子供が幾ら何でも可哀想だろ?それだけじゃない。あんたにとってこれはとても大切な事でしょうが。まぁ、私には子供いないし持とうとも思わないから、あんまり分からないけどさ。」

そんな事を言われたって私の気持ちが揺らぐわけがないけど、逆らわずに
「分かりました。」
と答えた。
 
「あぁ、サイパンじゃ中絶手術できない事知ってるよね?」

「え?どうしてですか?」
 
「あんた、そんな事も知らずにここに来たの?ここはカトリック教徒の国だよ。信仰上、中絶が認められちゃいないわけ。」

「そんな事も知りませんでした。」

「だからさぁ、あんたが今すぐに結論を出さなくても、嫌でも時間はあるんだから、しっかり時間を掛けて考えな?どうせ今、相手の男にメールで報告したばかりだろ?」

「・・・はい。」

「じゃあもう寝て休め。明日からもどんどん指導するから。」

「分かりました。夜分遅くに申し訳ありませんでした。」

「いやぁ、びっくりしたわ。入社早々やらかすねぇ。まぁ、人生色々あって、面白いじゃん?」

「本当に入社早々申し訳ありません。お先に失礼致します。おつかれさまです。」

「おお、おつかれ~。」



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