1/5の罪と傷、6%の生きる糧

Work miracles

私の有休最後のアルバイトの日。

着替えて移動前の私に、聡が近づいて

彼がいつも首に付けていた、

私が昔もらった指輪とおそろいのデザインの

ネックレスを外して、

私の手に渡して、握らせた。

「これ、どういう、意味?」

「持っていてもらいたいから。」

それだけ囁いて、

みんなのところへ戻っていった。




聡は、まさか最初で最後のデートで

私がこのネックレスを欲しがった事、

覚えていた?


私、あなたからもらった指輪は、

捨てたって、この間言ったよね?

今更、何がしたいの?


ねぇ、

言いたい事があるなら、

ちゃんと言わなきゃ私には伝わらないし

私は、何もできないんだよ?


私に、どうして欲しかった?

私に、どうして欲しいの?




私は、どうすればいいのだろう?




バイトが終わって、

私は、ふらふらとその辺を歩いて、

居酒屋で飲んでる外国人の集団に

ナンパされて、というよりは

ひっかけられて、

英会話に不自由しない私は

お酒をごちそうになりながら、

会話を楽しんで、時間を過ごす。


「私、行かなきゃ。」

どうしたの?と聞いてくるみんなに、

私は、行かなきゃ行けないところがあって、

今行かなきゃ、絶対にダメなの。

と意味の分からない英語を言いながら、

今日一緒に居てくれた御礼を言って、






全力疾走で走り出した。






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