白虎連合Ⅰ

家族








涙で赤くなった目はそのままに、視線を下に落とした。

目の前には生活指導の先生と、担任。



ここは生活指導室。






「ゆいっ!!!」


「ゆいちゃん…」






ガチャ、と扉が開きスーツ姿の父と私服の母。

私は顔を上げられなくて。

二人は私の両側に立ち、椅子に座った。






「先程電話で申した通り、華風は生徒に暴力しました」


「それで暴力を受けた生徒は?!」


「今は病院で治療しています」






そうですか、と落胆する父の声が聞こえる。

私は思わずスカートを握った。




うちの学校は不良高に分類される。

しかし校内で暴力事件は認められない。



退学は逃れられないと思う。







「それで華風の処分なんですが…一ヶ月の停学に決まりました」


「え?」







意外な答えに顔を上げる。



気のせいか先生の表情は穏やかで。

私は軽く頭を傾げた。








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