白虎連合Ⅰ






「なに?どしたん?」





再び食事を進めながら声を掛ける。

なかなか口を開かない父は私から視線をテレビに変えた。






「…勉強、頑張ってるんか?」






気まずそうな父の声。

母と姉も心なしか気まずそう。






「頑張ってんで、約束したやん」


「そう、か…でもあんまり頑張らなくてもええねんで?」


「お父さんがそれ言ったらあかんって、約束は約束」






そう、約束。

遅刻をしない、勉強を頑張り成績優秀。

絶対条件。






「ゆい、お父さんもお母さんも昔の事気にしてないねんから、」






昔のこと。


それでも私はしなければいけない。

例え父と母がもういいよ、と言っても。






「うん、ありがとう」








.
< 9 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop