鏡の彼
第八話 結果発表
 熱気も冷めぬ内に次のクラスの演奏が始まった。私達はステージの裏手から客席へと入り、指定された席で聴いていた。どのクラスもレベルは高い。特に、学年が上がるにつれて、客席からは盛大な拍手が贈られていた。

 そしてコンクールも終盤に入り、最後は三年生一同による合唱で幕を閉じる。

 審査の合間、客席では思い思いの話声が聞こえた。私も純子と一緒に私語をしていた。話題は特に定まっていない。今日の感想から始まり、明日からまた暇な授業が始まる、などと言っては純子も憂うつな気分を隠せないでいた。

 再び幕が開き、そこにステージに立つ校長の姿があった。傍にはピアノもある。話声も徐々に無くなっていった。
< 30 / 54 >

この作品をシェア

pagetop