オトナ彼氏∞
信の発言に私は驚いた
「し、信!部活…始まるよ…?」
「いや、俺も忘れ物して兄貴に持ってきてもらうからどっちみち待たなきゃなんだ」
信の言葉にりっちゃんは蓮さんに会えるんだ!!とテンションアップ
ますます信といなきゃならなくなった
「…結花?どうかした?」
明らかにテンションが低い私にりっちゃんは声をかける
「ん…大丈夫だよ?」
「緊張してんの…?」
信は私の瞳をじっと見つめ、視線を離さなかった
「あ…う…うん…」
「ちょっとぉ~!何2人してテンション低いのよ~!」
信は『いつも通りに仲良く』って言ってくれたのに、いつも通りができない
私は情けないやら、悲しいやらでギュッと目を閉じ、俯いた
どういう顔で話せばいいんだろ
わからなくなっちゃった
「…結花?」
…優しい声が頭の上で聞こえた
ゆっくりと目を開けると、黒いスニーカーが見えた
「待たせたか?ごめんな?」
甘くて、優しい彼の声
徐々に視線を上げていく
細身のジーパンに、グレーのTシャツ
…そして
「久しぶり…結花」
極上の笑顔
「正樹…さん…」