キスより甘く囁いて
長年一緒に過ごしてきた“幼なじみ”の間にも、たまにはこういう気まずい空気は流れたりする。
…そう、俺の『初めて』は、雅だった。
中学のときだったか、俺の親も雅の親も、旅行かなんかで居なかった。
夜にお互いの部屋に遊びに行くことぐらい、何度もあった。
けどその日は…気が付いたら朝で、隣には雅が寝てて。
若さゆえの過ち…ってやつなんだと思う。
雅を汚してしまったという後悔は、少しだけ、未だに俺の胸にある。