with you
 彼女たちと目が合い、わたしは体をびくりと震わせた。


 一人が口角をあげて微笑み、わたしの傍まで寄ってくる。


 肩をすぼめ、唇を軽く噛む。


「前原さんは卓球なんだね」


 彼女たちは顔を見合わせて笑う。だが、その笑いは過去の断片を蘇らせる。


 わたしは無言でうなずいた。



 彼女たちは西原先輩と一緒に帰った日、わたしのことをとやかく言っていた人たちだったのだ。


「可愛いって得だよね。大人しくしていれば男がかまってくれるんだもの」


 二人は不服そうに品定めをするような目でわたしを見る。


「否定しないんだ。自分で自分を可愛いとでも思っているの?」


「思ってません」


「嘘。思っているんじゃないの? そんな顔してるもん」


 自分の顔が好きなど殆どの人は思わないだろう。わたしも自分の顔は好きではなかった。だが、否定してもしなくても彼女たちの考えがすべてなのだ。
< 101 / 101 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

あなたは誰にバツを与えたいですか?
沢村茜/著

総文字数/17,877

ホラー・オカルト37ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
憎い人に復讐できるサイトがある。 代償は依頼人の寿命。 ただそれだけ。
わたしは一生に一度の恋をしました
沢村茜/著

総文字数/80,534

恋愛(純愛)157ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
わたしは女手一つで育てられた。実の父も、祖父母の顔も知らないまま。 高校三年の夏、母親が亡くなった。 そして、わたしは母親の実家に引き取られることになった。 そこでわたしは一生忘れられない恋をしました。
さよなら、もう一人のわたし
沢村茜/著

総文字数/53,002

青春・友情115ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
わたしには女優になりたいという夢があった。 オーディションで出会った千春という少女から映画に出てみないかと誘われる。彼女はわたしにならできる。そう断言したのだ。 裏があるのではないかと思いつつ、その話に乗ることにした。それはわたしの昔憧れていた女優の出演作品だったから。 映画に出ることになった。 好きな人もできて、何度も二人でデートをした。 全てが順調に物事が進んでいる気がした。 けれど、わたしは知ることになった。たった一人でわたしを育ててくれたお母さんの過去を……。そして、わたしの大好きな人はわたしの夢に反対していることを。 「大好きなあなたへ」を改稿したものです。 ※更新停止します。しおりを挟んでくださった方、申し訳ありません。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop