with you
 学校をおえ、真由と別れを告げる。彼女とは学校をはさんで逆サイドに家があるので、ほんの数分しか学校から一緒に帰ることはできない。


一方の愛理は中学は違ったが、隣接する学区だったこともあり、比較的家が近かった。


「いいことあった?」

 心をよんだような愛理の問いかけに首を横に振る。


 彼女は苦笑いを浮かべながらも、その理由を追求してくることはしなかった。


 分かっていて、必要以上に聞いてこないのは彼女の優しさだと分かっていたのだ。


 いつも彼女とはコンビニのある交差点の近くで別れる。そこから私の家まで直線距離で歩いて五分もかからない。


 あのことがあってから私を家に送ってもいいといってくれたが、友人にそこまでしてもらう申し訳ない気がし、今までと同じ場所で彼女と別れるようにしていた。


 そのとき、ふと英語の宿題のことが頭を過ぎる。嫌な予感が背中を伝い、鞄を確認すると、その予感は当たっていたのだ。


 私は振り返り、愛理の後姿を見つめる。

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