with you
 ダイニングテーブルに愛理と並んで座る。そこに依田先輩が二人分の紅茶を運んできてくれた。


 彼はケーキの箱からマロンケーキを取り出し、自分の皿の上に置く。台所に戻るともう一人分の紅茶を持って戻ってきた。


 依田先輩が視界に入るのが気になり、できるだけ見ないように愛理を見た。


「どうしてこんなにケーキがあるの?」


「お母さんがお土産といって買って帰ってきたの」


「二人に?」


 愛理はケーキにフォークを刺し、大げさに肩をすくめる。


「単純なんだよね。たくさん買ってきたら喜ぶっていう思考が抜けないみたい。基本的に害はないけど、街中で声をかけられたら適当に返事をしていていいよ」


 わたしは少し笑う。


 他の人の家の話は自分の家とは違う、別の世界のようだった。
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