僕はネコである。
奈々ちゃんは
今年大学生になった
僕のご主人さま。
奈々ちゃんがまだ、
高校生になったばかりの頃
捨て猫だった僕は
奈々ちゃんに拾われた。
僕には、親も友達も
いなかった。
気付いた時には
ひとりぼっちだった。
それでも、必死で
僕は居場所を探していた。
沢山、沢山 歩いた。
雨の日も、晴れの日も。
お腹が空いて、
死にそうになったこともあった。
道路に出て
車にひかれそうに
なったこともあった。
怖い人間に、
なんども捕まえられそうに
なったこともある。