好きになった方が負け
3#意外な矢印
バンッ


「邪魔。どいてくんね?」


頭を軽く叩かれて振り返ると、朝から不機嫌そうな慶太がいた。


「痛いし、叩かなくても分かるからっ」


「うぜー。何でこんな女に彼氏がいんのか不思議だわ」


うぅー…そうだった!!

昨日バッチリ目撃されてんだった。


「け、慶太には関係ない!!」


「は?お前はいっつも”関係ない”って言うよな?」


だって、実際本当に関係ないし!!

何でほっといてくれないかな!?


「……関係なくないんだよっ」


「え?何て?」


意味が分かんなくて聞き返したのに、ため息だけ残して行ってしまった。

わけ分かんない…。


てか、今は慶太のこと気にしてる場合じゃないっていうか。


昨日も龍くんのこと考えたら、あんまり眠れなかった。

あたしじゃ、恋愛対象にはなんないのかな…?
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